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2010年03月12日

量拡大だけでの景気刺激効果は限定的=日銀総裁

 白川方明総裁は12日午前、参院予算委員会で、金融政策と為替相場の関係について「日銀としては現在極めて緩和的な金融政策を続けることを明確にしているので、これは為替レートにも相応の影響を与えていると思っている」と述べた。自民党の舛添要一氏の質問に答えた。

 白川総裁は「為替レートには内外の経済、金融情勢が投影してくる。金融政策について言えば、金利はもちろん為替レートに影響を与える1つの要因ではあるが、過去の例を見ても、この要因だけで説明することはできない。いろいろな要因で決まる」と指摘した。

 白川総裁はかつての量的緩和政策については「当座預金を拡大する政策は、金融システムが不安定な時はこれを安定させる非常に大きな効果があったと自負している。ただ、単に量を増やすだけで景気を刺激し、物価を上げるという効果は限定的だったというのが私どもの評価だ」と語った。

 長期国債の買い入れ増額については「国債の買い入れをどんどん行っていくと、最終的には誰かが日銀の負債を持ってくれる、つまり銀行券を持ってくれているからできる。もしそれを超えてどんどん買っていくと、最終的には日銀自身が国債を売る形で調整をしなければならなくなってくる」と語った。
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2010年03月01日

先行きも極めて緩和的な環境維持し、需給ギャップ解消に努力

 日銀の白川方明総裁は1日午前の衆院財務金融委員会で、日本の財政は厳しい状況にあるとし、財政規律と中央銀行の金融政策に対する信認が重要と語った。また、デフレ脱却が課題とあらためて指摘し、先行きも極めて緩和的な金融環境を維持し、需給ギャップの解消に努力する、と述べた。山本幸三委員(自民)の質問に答えた。

 山本委員がデフレが解消しなければ新成長戦略で目指す名目3%成長はあり得ないとし、デフレ脱却のための金融政策の重要性を質した。これに対して白川総裁は「日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとで持続的成長経路に復することが最も重要な課題との認識をもって金融政策を行っている」と述べた。

 そのうえで、デフレ脱却には2つの取り組みが必要であるとし、第一に「デフレの根本的原因である大幅な需給ギャップを持続的な形で解消していくこと」とし、「このために日銀では、政策金利を名目ゼロ金利まで引き下げ、現在の低いゼロ金利状態を続けるということを明確にしている。また、金融市場に潤沢な資金を供給する用意をしており常に潤沢に資金供給している。このような極めて緩和的な金融環境を維持する方針を明確に示しており、そのことを通じて需給ギャップの解消に最大限の努力を行っている」と説明した。

 さらに人々の物価に対する見方が下振れしないようにすることが重要だとも語り、中長期の物価安定の理解で消費者物価の前年比がプラスの状態を実現することが大事であるという姿勢を示し、「デフレ脱却への決意を明確にしている」と述べた。

 白川総裁は現状からいち早く脱却したいとしながらも、「デフレの根本原因を考えると、粘り強く努力を続けていく」と繰り返した。
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2010年02月18日

市場安定には政府が日銀の姿勢尊重すること大事

 18日午後の会見で、世界的に財政の持続可能性に対する関心が高まっているとした上で、金融市場の安定を維持するためには、政府が「財政再建の道筋を示し、市場の信認を確保すること」と、金融政策運営は財政ファイナンスを目的としていないという「中央銀行の政策姿勢を政府が尊重すること」が大事だとの考えを示した。

 白川総裁は先行きのリスク要因として「国際金融市場ではギリシャ問題に表れているように、各国の財政動向とその金融市場への影響が一段と注目されているほか、金融規制、監督をめぐるさまざまな議論の帰すうとその影響への関心も高い状況が続いている」と述べた。

 さらに、「ここ1、2カ月はこの問題に対する関心が高まっている。もともと日本の財政状況は大幅な財政赤字が続いており、一般政府の債務残高の対GDP(国内総生産)比率が国際的に見て極めて高い水準になっていることなど、深刻な状況にある」と語った。

 白川総裁は国内市場について「国債は円滑に消化されており、長期国債金利も低位安定して推移している」としながらも、「最近では欧州周辺国におけるソブリン問題を契機に、欧米先進国や日本を含め財政の持続可能性に対する関心が世界的に高まっている」と述べた。

2つのことが重要

 その上で「金融市場がグローバル化していることを踏まえると、国際金融市場の安定を維持するために、私自身は2つのことが重要だと思っている」と指摘。第1の重要な点として「財政再建の道筋を示し、この点について市場の信認を確保すること」を挙げた。

 白川総裁はさらに、第2の重要な点は「中央銀行の金融政策運営が財政ファイナンスを目的としていないこと。言い換えると、物価安定の下での持続的な経済成長を目的として政策運営が行われていることだ」と言明。「そうした中央銀行の政策姿勢を政府が尊重し、市場も信認していること」が重要だと強調した。

 白川総裁はインフレ目標の導入を求める声があることについて「物価の動向だけに過度の関心が集まる結果、物価以外の面で静かに蓄積しつつあった金融経済の不均衡を見逃し、結果として金融危機発生の一因になったのではないかという問題意識が以前に比べて高まってきているように思う」と述べた。

 その上で「インフレ目標を採用しているかどうかは現在、金融政策の枠組みを議論する上で、意味のある論点、あるいは切り口ではなくなってきているという印象がある」と述べ、否定的な見方を示した。
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2010年02月16日

資金供給量だけで効果判断する議論納得せず

 白川方明総裁は16日午前、衆院予算委員会で、資金供給量の規模だけで経済刺激効果を判断する議論について「私自身は必ずしも納得していない」と述べた。自民党の山本幸三氏の質問に答えた。

 白川総裁は主要中央銀行のバランスシートについて、2008年9月のリーマン・ブラザーズ破たん前は対名目国内総生産(GDP)比で日銀が20%、米国が6%、欧州が16%に対し、昨年12月は日銀が26%、米国が16%、欧州が21%だと指摘。その上で「日銀のバランスシートは主要国で一番大きい」と述べた。

 また、資金供給量だけで政策効果を判断する議論について「かつてはそういう議論が一部にあったが、今回の経験で随分変わった」と言明。「バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長もバランスシートの大きさが経済刺激効果を示すものではないと繰り返し言っている。かつてそのような主張を行った有名なエコノミストも反省していると言っている人が随分いる」と述べた。

 白川総裁はまた、デフレを脱却するために「日銀は真剣に取り組んでいるが、なかなか時間がかかる。日銀だけでやれることではないが、日銀にやれることは愚直に粘り強くやっていく」と語った。
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2010年01月29日

デフレは流動性だけで解決せず−魔法の杖はない

 29日午後、都内で講演し、デフレの根本原因は需要不足であり、「流動性の供給だけでデフレが解消されるわけではない」と語った。また、デフレを脱却するために「魔法の杖」はないとした上で、新興国の需要の取り込みや生産性の向上に地道に取り組む必要があると語った。

 金融政策については「極めて緩和的な環境を維持していくことが必要」と言明。日銀は「日本経済がデフレから脱却し、物価安定の下での持続的成長経路に復帰することが極めて重要な課題だと認識している」と述べた。さらに、「今後、金融市場の安定が損なわれることが懸念される可能性が出てきた場合、日銀は金融市場の安定を確保するために、迅速・果断に行動する態勢を整えている」と語った。

 国内の景気は持ち直しているが、「国内民間需要の自律回復力はなお弱い」と指摘。先行きも持ち直しが続くものの、「2010年度半ばごろまでそのペースは緩やかなものとなる可能性が高い」と語った。

 日本の物価上昇率が他の先進国に比べて低い理由について、白川総裁は@流通の合理化と規制緩和A賃金が1990年代後半以降、持続的に下落したことB将来の成長期待が低下していること−を指摘。その上で「デフレの根本原因は需要不足」であるが、「未曾有の世界的なバブルが崩壊した今日、従来と同じ財・サービスの供給能力を埋めるだけの需要が生まれてくることは期待できない」と述べた。

 デフレの根本的な原因を直視する必要

 また、金融システムが不安定化の危険にさらされている時は、中央銀行のバランスシート拡大、流動性の供給は、金融システムの安定を確保することを通じて「物価のスパイラル的下落を防ぐ上で極めて効果的だ」と指摘。ただ、「いったん金融システム不安の状況を脱した後は、流動性の増加だけでデフレが解消されるわけではない。われわれはデフレの根本的な原因を直視する必要がある」と語った。

 白川総裁は「物価はしばしば経済の体温に例えられる。体温だけを人為的に長期間にわたって引き上げることは可能ではない。基調的に体温が上がるためには、それ相応の体質改善や、場合によっては、適切な治療も必要だ」と指摘。同じことは「デフレ問題への対応についても言える」と述べた。

 さらに「緩やかではあるがすう勢的な物価の下落傾向に歯止めをかけるために、すう勢的な成長期待を高めること、言い換えると、生産性の向上に地道に取り組むことが不可欠だ」と指摘。そのための課題として「グローバル需要、とりわけ高い成長が見込める新興国・途上国の需要を積極的に取り込んでいくこと」と「潜在的な需要に対応する供給体制を作り上げ、生産性の上昇を図っていくこと」を挙げた。

 白川総裁は講演後の質疑応答で、長期国債買い入れ増額の可能性について問われ、「今、資金を供給する上で、現在の買い入れ金額が最適だと思っている」とする一方で、「特定の政策をあらかじめ排除することはない」と述べた。また、為替相場については「安定的に形成されることが大事だ」と述べた。
posted by ドリル at 22:33| Comment(11) | TrackBack(0) | 日銀総裁発言記録